◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
目の前の、しょげたような尚貴を見て、たぶん自分もずっとそんな顔をしていたと気付く。
……もしかして、なおさんも、同じことを思ってくれていたのかな。
(そ……っか)
なおさんも、私に笑ってほしいと思ってる、んだね。
だけど、そんなこと言ったって……だって、知らないんだもんこんな世界、私、自信ないよ。
コミケ会場では頼りない尚貴を助けて堂々としていられた。今度は逆なのだ。
知らない世界、知らない常識、好かれたいのに嫌われるかもしれない不安、迷惑をかけてしまうかもしれない恐怖。
もう、へとへとだ。