◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

(よ、よかったあ……)
 愛里はほっと脱力した。

 今日はいろんなことがありすぎたよ。早くお風呂に入ってぐっすり眠ろう。

 尚貴は郡山の後頭部を一瞥して、愛里に言う。
「じゃあ、明日もまた、遊んでもらえないかな……? エリンギちゃんは明日、お休みになったんだよね」
「うんっ。また明日、ぜひ!!」
「じゃ、決まり!! 仕事終わり次第、家まで迎えに行くから!」

 明日もなおさんと一緒!
 これがわくわくしないはずがない。
 しっかり体力回復しないとね。

 尚貴は郡山を警戒するように、愛里の住所を暗記すると息巻いている。何があっても迎えに行くからと。

 でもさっき郡山は純粋に、愛里を慮ってくれたのだろう。と愛里にはわかっていた。悪役さえ演じてくれながら。

 郡山さんって、やっぱうんと年上の男の人なんだなあ……。
 そして、なおさんは世間知らずでも、正直で優しい。
 
< 215 / 295 >

この作品をシェア

pagetop