◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
ゴクリゴクリと飲んでいると、
「かなり強いお酒ですので、ご注意を」
と、制される。そんな強さも番子みたいで、素敵。
マスターの手から出てきた「うちの子」に、胸が熱くなる。
ありがとう、ありがとうマスター……!
隣に座る尚貴の前に出されたのは、大ぶりのグラスに入ったシャーベットのようなお酒だった。グラスの縁にオレンジの皮で船の帆を模したオブジェがささっている。
「こちらは南国育ちのハル王子のイメージカクテルです。マンゴーをそのまま丸ごと使ってフレッシュカクテルにしています」
尚貴は二本ささった黒いストローを二本ともくわえて飲む。
「……うん。僕も読んだけど、ハル王子はこんな感じだった。とても甘い。いいね。エリンギちゃんも飲んでみる?」
「う、ん」