◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

「それじゃ、帰るね」
「うん。おつかれさまエリンギちゃん。いたた……腰痛い」

 尚貴が何度も伸びをしながら手を振る。

「大丈夫? あんまり無理しないでね」
「うん……イテテ」

 郡山がドアを開けてくれ、駐車場まで見送ってくれる。尚貴もわざわざ来てくれた。

「それじゃあね、エリンギちゃん。あー腰イテテテ……郡山、マッサージしてー」
「かしこまりました」
「お邪魔しました、おやすみーまた明日ね」

 愛里はお礼を言って、車に乗り込んだ。

(ふう。今日も頑張ったな)

 心地よい疲労感に包まれながら車を走らせる。今ごろ郡山にマッサージを受けている尚貴を想像して苦々しく思いながら。

 さてこの暮らしはいつまで続くかな?
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