◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「うーん……あ! 更新された!」
「おおっ!?」
タイミングよくサイトが更新され、結果が出たようだ。
「あ……」
パソコンを前に項垂れる尚貴。
「落選」
ありゃー。
愛里は鞄を下ろしてちゃぶ台に原稿用紙を広げながら尋ねる。
「講評はなんて書いてあった?」
大事なのは、落選した後の行動だ。結果とアドバイスをどれだけ活かせるか。
「話が意味不明、と」
「あ、あはは……」
(辛辣だけど、いえてるかも……)
「他には?」
「イラストは美しいですが、漫画としてもっとメリハリをつけなさい、って」
「なおさんは、そうだね」
今日の作業を開始する準備をしながら、愛里は勇気づける。
「でも、すごいなあ。私なんて"絵が雑なのでもっと丁寧に"なんて指摘ばっかりなのに、さすがだね」
「僕にはエリンギちゃんの方がすごいと思うよ。だって、丁寧に描きさえすればOKなんでしょう?」
「いや、私は丁寧に描いているつもりだもん……」
「そうなの?」
「う、うん」
得意分野は人それぞれだ。長所を活かし、短所を減らし、焦らず成長していくしか道はない。
だが尚貴はさっきから項垂れたまま、なにやら落ち込んでしまっていた。
「はあー……。もう……今日の作業、気力わかないよ……いや、なんでもない。そんなこと言ってどうするんだよ。やろう。やるやる」
辛い気持ちはよくわかる。でも、早く立ち上がってまた走り出すしかない。
愛里が作業をしていると、尚貴ものそりと起き上がって、ペンを手に取った。
「おおっ!?」
タイミングよくサイトが更新され、結果が出たようだ。
「あ……」
パソコンを前に項垂れる尚貴。
「落選」
ありゃー。
愛里は鞄を下ろしてちゃぶ台に原稿用紙を広げながら尋ねる。
「講評はなんて書いてあった?」
大事なのは、落選した後の行動だ。結果とアドバイスをどれだけ活かせるか。
「話が意味不明、と」
「あ、あはは……」
(辛辣だけど、いえてるかも……)
「他には?」
「イラストは美しいですが、漫画としてもっとメリハリをつけなさい、って」
「なおさんは、そうだね」
今日の作業を開始する準備をしながら、愛里は勇気づける。
「でも、すごいなあ。私なんて"絵が雑なのでもっと丁寧に"なんて指摘ばっかりなのに、さすがだね」
「僕にはエリンギちゃんの方がすごいと思うよ。だって、丁寧に描きさえすればOKなんでしょう?」
「いや、私は丁寧に描いているつもりだもん……」
「そうなの?」
「う、うん」
得意分野は人それぞれだ。長所を活かし、短所を減らし、焦らず成長していくしか道はない。
だが尚貴はさっきから項垂れたまま、なにやら落ち込んでしまっていた。
「はあー……。もう……今日の作業、気力わかないよ……いや、なんでもない。そんなこと言ってどうするんだよ。やろう。やるやる」
辛い気持ちはよくわかる。でも、早く立ち上がってまた走り出すしかない。
愛里が作業をしていると、尚貴ものそりと起き上がって、ペンを手に取った。