◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
第39話 最高のプレゼント
尚貴が、実家に戻る気がまるでないことがわかってからも、何も変わらずに創作に明け暮れる二人の日は続いていた。
液タブに向かって真剣な顔でペンを走らせる彼の後ろ姿。髪の一本一本まで綺麗で華やかで、どこか儚げだ。
「どうしたの? エリンギちゃん。そんなに僕のこと、見て」
手を止めて振り返る彼に、愛里は慌てて首を振る。
「いや、ごめん。なんでもない」
画面に反射していただろうか。愛里も作業を再開しようとして、でも、なんとなく手が止まってしまう。
尚貴はもともと、現実味がまるでないような人だった。
スーパーお坊ちゃんで、性別不明みたいな浮世離れした見た目で、行動もとんちんかんだし、掲げる夢だって、同じ夢追い人の愛里だからこそ共感できるが、一般的には現実味がない夢だ。
でもそんな彼が、現実の中で生きていく。
液タブに向かって真剣な顔でペンを走らせる彼の後ろ姿。髪の一本一本まで綺麗で華やかで、どこか儚げだ。
「どうしたの? エリンギちゃん。そんなに僕のこと、見て」
手を止めて振り返る彼に、愛里は慌てて首を振る。
「いや、ごめん。なんでもない」
画面に反射していただろうか。愛里も作業を再開しようとして、でも、なんとなく手が止まってしまう。
尚貴はもともと、現実味がまるでないような人だった。
スーパーお坊ちゃんで、性別不明みたいな浮世離れした見た目で、行動もとんちんかんだし、掲げる夢だって、同じ夢追い人の愛里だからこそ共感できるが、一般的には現実味がない夢だ。
でもそんな彼が、現実の中で生きていく。