◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「あれっ、なんで、知ってたの!?」
誕生日なんてなおさんに言ったっけ!?
「関わる人のことは、郡山が身辺調査をするからね。それで知ってたんだ」
な、なるほど……!
改めて、イラストを見る。
一面に繊細優美ななおさんらしさが感じられる、私の作品のキャラクター集合絵。
不思議な感じだ。自分の作ったキャラクターが、違うクリエイターの手によって描き出されている。
「エリンギ先生のファンアート、だよ」
ファンアート。
これが、ファンアート!
私の作品の二次創作……っ!
「……ありがとうっ!」
夢みたいだ。
憧れだった。
自分の作品を、誰かが二次創作してくれること。
それは夢のまた夢だった。デビューして、有名になって、絵まで描いてくれるファンを獲得して初めて叶うことだから。
これは、一生の宝物だ。
「嬉しい……なおさん、本当にありがとう」
髪の毛の描き方や、影のつけ方も自分と全然違う。こんな風に私も描けたら、もっと表現の幅が広がるんだろうな。