◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
第42話 年上の執事と
尚貴から特に連絡はなく、翌日には何事もなかったように愛里は彼の家に行った。
尚貴もやはり、何事もなかったように、愛里を迎えてくれた。
「いらっしゃい、今日もがんばろ!」
「うん! 目指せ、デビュー! だね」
そうして、いつも通りにちゃぶ台の前に座り、漫画の続きを描いた。
カリカリ、シャッシャと愛里の鉛筆の音が響く。
ちゃぶ台を挟んで正面からは、液晶を叩く静かなペンの音。
時折、郡山がお茶を淹れてくれて、冷めたら温かいものに取り替えてくれる。
いつもと変わらない時間が過ぎていく。
……ように見える。
でも本当は違う。
尚貴が前より、作品に集中しているような気がした。
まるで愛里の存在をこの場から排除するかのように。
ちゃぶ台の向こう側に、見えないバリアを感じる。
僕たちの間に甘い時間はもう二度と流れないのだと教えるように。
尚貴もやはり、何事もなかったように、愛里を迎えてくれた。
「いらっしゃい、今日もがんばろ!」
「うん! 目指せ、デビュー! だね」
そうして、いつも通りにちゃぶ台の前に座り、漫画の続きを描いた。
カリカリ、シャッシャと愛里の鉛筆の音が響く。
ちゃぶ台を挟んで正面からは、液晶を叩く静かなペンの音。
時折、郡山がお茶を淹れてくれて、冷めたら温かいものに取り替えてくれる。
いつもと変わらない時間が過ぎていく。
……ように見える。
でも本当は違う。
尚貴が前より、作品に集中しているような気がした。
まるで愛里の存在をこの場から排除するかのように。
ちゃぶ台の向こう側に、見えないバリアを感じる。
僕たちの間に甘い時間はもう二度と流れないのだと教えるように。