◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「ごめんね、急に増やしちゃって」
「その人? えっと、なんてサークルさんだっけ?」
はなやんは尚貴を見上げて、次いでその後方に立つスーツ男を見上げて、おそるおそるといったように尋ねてくる。尚貴は居住まいをただすと、
「あ、はい。申し遅れました。私はサークル夢屋敷の、なおと申します。エリンギさんのご紹介で、参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします」
そう自己紹介し、ぺこりと頭を下げた。
夢屋敷、たしかお隣はそんなようなサークル名だった。尚貴が本名で、ペンネームはなおっていうらしい。
それで自己紹介は終わり。……のつもりだったのだろうが、はなやんはまだ紹介を待っている。もう一人の男の方の。
「そちらは?」