◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

 しかし郡山は黒子に徹するように「わたくしは付き人ですので、どうかお気になさらず」と言って尚貴の後ろに隠れてしまう。

「は、はあ……」

 はなやんはめちゃくちゃ気になってる!
 常識的なリアクションに、なんかほっとする。
 
「ねえね……席はどうしたらいいのかな?」
 ひそひそ声で尋ねてくるはなやん。顔はこわばっている。
「うーん……」

「付き人って何? もしかして、芸能人?」
「いや、それは違うみたい。なんか、名家のご子息みたいな」
「ぇええええっマジ!?」
 驚くよね……。
 さっきの高級車の乗り心地とか今日のイベントでのこととか早く話したい!! けど、さすがに今はそれどころではない。
 
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