◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

 各自席についていく。全員女性で、愛里とはなやんを入れて六人。尚貴を入れて七人。郡山と交代した付き人は含めていない。

「エリンギです。こちらは今日コミケで知り合ったなおさん」

 久方ぶりに会って顔を忘れている人もいるだろうと愛里は自ら名乗ってから、尚貴を紹介した。

「なおです。よろしくお願いします」

 尚貴が頭を下げると、髪がはらはらと垂れ下がる。その場の全員がその美しさにうっとりと見惚れていた。男にしては少しばかり長い程度の髪だが、真夏なのに装飾過多なひらひら衣装なのも手伝って、床につくほど長いのが普通の平安時代にさかのぼるかのような錯覚を覚える。
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