◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
第2話 「見本誌シール余ってませんか?」
数々のサークルの準備が整っていく中、息を切らして入ってきた人がいた。
背が高いからたぶん男性だと思うけど、男にしては長めの淡い色の髪を振り乱してきょろきょろして、周囲の注目を集めながら歩いている。なんだか物語世界から飛び出してきたような変わった服を着ている。ここは創作(少女)ジャンルで、つまり少女漫画を売り買いする場所だ。売る方も買う方も女性が多いし、もしかしたら男装コスプレイヤーさんの可能性もある。
その男(おそらく)の人は重そうなダンボール箱を三つも抱えていて、細くてのっぽな体をよたよたと揺らしていた。倒れたらぽきんと折れそうなほどか弱い感じ。というかあれだけの量の搬入は台車を使うべきだ。なぜ使わないのだろう。持ってないのかな。
こっちに来る。
まさか。
机の半分に横たえられて置かれていたパイプ椅子を降ろしたので確定した。この人がお隣さんだ。
背が高いからたぶん男性だと思うけど、男にしては長めの淡い色の髪を振り乱してきょろきょろして、周囲の注目を集めながら歩いている。なんだか物語世界から飛び出してきたような変わった服を着ている。ここは創作(少女)ジャンルで、つまり少女漫画を売り買いする場所だ。売る方も買う方も女性が多いし、もしかしたら男装コスプレイヤーさんの可能性もある。
その男(おそらく)の人は重そうなダンボール箱を三つも抱えていて、細くてのっぽな体をよたよたと揺らしていた。倒れたらぽきんと折れそうなほどか弱い感じ。というかあれだけの量の搬入は台車を使うべきだ。なぜ使わないのだろう。持ってないのかな。
こっちに来る。
まさか。
机の半分に横たえられて置かれていたパイプ椅子を降ろしたので確定した。この人がお隣さんだ。