◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。
「うーん、名古屋にはやっぱないみたい」
愛里ももしかしたらとスマートフォンで調べてみたが、ヒットしない。仕方ない。
自分が行くとしたら誰をカクテル化してもらうだろう。
キャラクターカクテルは既存のキャラクターだけじゃなく、自分のオリジナルキャラクターでもいいそうで、愛里が行くとすれば自分のキャラクターの魅力を伝えてみたいと思う。
「愛里さん、愛知県にお住まいなのですね」
ふと、隣の尚貴がそう話しかけてきた。
「うん。なおさんは?」
「私もです」
意外な共通点が発覚する。
「そうなの? どこどこ」
「といっても、僕は愛知の田舎の方ですが……」
尚貴は少し照れ笑いを浮かべると言った。
「うちにあるバーでよければお作りしますよ」