◎あなたのサークルは、世間知らず御曹司の隣に配置されました。

 アイコンが拡大表示されて、そこに描かれていたのがイラストだったと気が付いた。

 これは、尚貴が描いた絵だろうと愛里は思った。
 繊細なのにとても華やかで、まるで本人みたいだったから。

 中心に立つのは天使のように神々しい男で、彼の周囲には幾何学模様が描かれており、一つ一つの模様の中にも細かい絵がある。四季や、朝昼夜、それに天体など――万華鏡のように連なっている。

 なおさんは、こんな細かい絵を描くんだ。描き込みが多すぎて、一目見たときはよくわかんなかったけど、魅入る。
 漫画は、どんな内容なのか、読むのが楽しみだ。

「削除をお願いします」
 郡山が促す。
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