上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※

結局少し残業して会社を出たのは19時すぎ。約束のいつもの場所とは会社から徒歩10分くらいで着く隠れ家風のカフェ。


アンティークなインテリアや小物が揃ってて席の一つ一つが違った雰囲気を持っているお店。


今日は何飲もっかな。
ワクワクする気持ちを抑えてお店のドアノブに手をかけようとした瞬間、後ろからいきなり右腕を掴まれて後ろに引っぱられる。


「きゃっ」


バランスを崩してよろけた私の体は後ろからグッと抱きしめられるように支えられた。
何がなんだか状況がわからない私の頭上から聞きなれた低い声が落ちてくる。



「会社出る時連絡よこすだろ、 普通」



私を見下ろして呆れたように言った結城課長の顔は今日1番の不機嫌MAXな表情だった。






いつも待ち合わせても結城課長が来るのは8時過ぎだから、とりあえずお店に入ってから連絡すればいいかなって思ってたんだけど、こんなに早くいるなんて予想外だった。



「俺、和食食いたいんだけどいい?」

不機嫌極まりない声で確認してくる。

こんな気まずい状態で違うの食べたいって言ったらどうなるんだろう?
そんなことが頭に浮かびながらも実際はこれといった希望もないし、結城課長が連れていってくれるお店はどこも美味しいから素直に頷いた。

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