上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
さっき結城課長が電話してた相手はきっとその人。
女の勘?
というか、あんなに優しい喋り方聞けば誰だってわかるはず。
「まだ好きなんだ……」
私のひとり言はタクシーのエンジン音に紛れて運転手さんには聞こえない。
寂しいとか虚しいとか、そういった気持ちではない。
実際それを知っていても結城課長との関係は心地良くて安心感がある。
じゃあ、このモヤモヤは何なのだろう?
自分の事なのにわからない。
私を乗せたタクシーはハザードランプをつけてゆっくり左端に停車する。
私は考えることを放棄して運転手さんにお礼を言いタクシーを降りて自宅マンションに入っていった。