上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※

「それ、亜子が描いたのよ」

「亜子が?」

亜子が描いたと聞き更に驚く。

「尊くん、亜子を尊くんの元で働けるようにしてあげてほしいの。亜子は親の私が言うのも変だけどとても良いセンスを持っているわ。私も尊くんの準備が整うまでに良いデザイナーとして育て上げるつもりよ。」

「ええ、そのつもりです。 すでに父や兄には亜子のことを伝えてますし歓迎してくれてます」

そう言うと亜子の母親は薄っすらと目に涙を溜めて喜んでくれた。


亜子の母親はとても行動的というかなんというか、そこから先はどんどん話が進み俺の準備が整うまでにいろんな計画を立ててくれた。


俺的にはなんでも良かったのだが亜子の母親は「せっかくの再会なんだから、ロマンチックの方が女はグッとくるのよ!」と言い軽井沢で会う計画になった。


踊らされてる感があるが、ある意味逆らえない。俺は亜子の母親が決めたシナリオ通り進めることにして、それが効いたかどうかは知らないが結果的に亜子とは上手くいくことができた。




あれからしばらくして俺たちは一緒に暮らし始めた。


「亜子ちゃーん私もうダメかもー」

「ふふっ、真奈美さん大丈夫ですよ。元気出してください!」

真奈美はたびたび俺の家に来るようになった。もちろん俺じゃなく亜子に会いにだ。
同性の友達が少ない真奈美はすっかり亜子を気に入ってしまったようで、今じゃ亜子が聞き役となっている。

そんな真奈美もあと半年したら智史の待つアメリカに行くことが決まった。
両家の親もやっと認めてくれて来年には結婚できることになったらしい。

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