上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
「早く結婚しよう」
「はい」
どうしたって自然に口から出てしまう。
俺の腕の中で振り返った亜子は笑いながら返事をした。
「何がおかしい?」
なぜ笑う?
少し不機嫌になる俺に亜子は言った。
「違うんです。私、ずっと恋愛とか結婚ってできないんじゃないかと思ってたんです。それなのに尊さんは私の願いを叶えてくれて……私すごく幸せです」
そう言って俺に見せる亜子の笑顔は、一度取り戻した俺の理性をぶち壊す。
「え? ちょっと! 尊さん!」
「やっぱ無理! 飯は後でいい!」
ジタバタする亜子を抱きあげてベットへ直行する!
……その後、亜子に思いきり怒られたのは言うまでもない。
女に溺れる男なんてクソだと思ってた。
そんな奴この世にいらない男だと。
だが俺は亜子と出会って変わった。
好きな女に翻弄されて、自分の感情を引っ掻き回されるなんて思いもよらなかったんだ。
亜子の笑う顔を見ていたい。
亜子の為ならなんでもできる。
こんな人生も悪くない。
「亜子、愛してるよ」
この先もずっと。