上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
「……そっかぁ」
私よりも落ち込んだ表情をしてる雅はため息をついてひと呼吸おいてから話を続けた。
「ねえ、 やっぱりさ課長にハッキリ聞いて見たら? いくら他に気になる人がいるからって付き合ってるのは亜子だよ? 亜子だって2人でいる時にその人から電話がくるの嫌でしょ?」
たしかにいい気持ちはしない。胸の奥がモヤモヤしてなんとも言えない気持ちになってしまう。でもかと言ってこの気持ちをなんて言っていいのか上手く説明できない気もする。
雅にはそんな私の気持ちを素直に話す。
「いい気持ちは……しないかな。でも私も100%気持ちが向いているわけじゃないし…… それにその人が結城課長を好きになったら私なんてすぐにフラれると思う」
いつもとは違いネガティブなことを口にした私に雅は決定的な事を聞いてくる。
「でも、課長のこと好きなんでしょ?」
私は数秒固まって弱々しく答える。
「好き…………なんだと思う」
「あーもう! 素直になりなさい! 亜子の気持ちはわかるけどいつまでもそんな付き合い方じゃ辛いだけだよ」
まったくもう!って顔して言いながら最後には「私は亜子に幸せになってほしいんだ」って優しく言ってくれた。
雅の言いたいことはわかるけど、自分の気持ちを100%相手に向けるって難しい。
普通はこんなことで悩まないのかもね。