上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
私はどこか欠けた人間なんだと思う。
どんなに好きでもパパやママのようにパッといなくなっちゃうかもしれない……。
私を大切にしてくれてる藤井家の家族だっていつか私に愛想をつかしてしまうかもしれない。
私はいつからか愛する人と線を引くようになっていた。
好きになりすぎないように引く境界線が唯一自分を保っている。
雅のように大切な人を心から愛せたらと思うけど、反面壊れた時私は立ち直れるのだろうか? と不安で押しつぶされそうになる。
私は結城課長と付き合う前から彼のことが気になっていたんだと思う。
でも、付き合うことを決めたのは結城課長に好きな人がいることを知っていたから。
はじめからいつか終わるものだとわかっていて気持ちを抑えていた方が楽なんだ。
今まで何人かの人と付き合ったこともあったけど、私のような付き合い方だと必ず上手くいかなくなる。
そして最後に「本当に好きなの?」って同じセリフを言われるんだ。
結城課長との付き合いは束縛もないし心地良い。急に会うことになったりと振り回されることもあるけど、忙しい人だからそれはしかたない。
「私って人として欠落してるね」
食べ終わった弁当箱を片付けながらポツンと呟いた。
「亜子は恋愛に不器用なだけ! なんでも器用にこなすのにね。 まぁ、 そこが可愛くて私は好きだよ!」
雅が聞いてくれたおかげでずいぶんスッキリした!
私はお礼を言って2人でオフィスに戻った。