上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
俺にとっては2人とも大切な仲間だ。
自分の気持ちを隠しながら2人を見守ってきたつもりだ。
今更どうこうしたい気はないのだが、こうやって連絡がくるとつい出てしまう。
その時、寝室のドアが開く音がした。
振り向くと亜子が服を着て立っていた。
なんとなくやましい気持ちからか亜子と視線を逸らしてしまう。
真奈美には悪いが早く切らなくてはと心臓の音がだんだんと強くなるのがわかる。
藤井は支度を終えると1人玄関へ向かった。
「真奈美悪い! あとでかけ直す!」
電話を切って藤井の元へ向かいタクシーが来るまで一緒にエントランスで待つことにした。
藤井を見送ったあと部屋へ戻りため息を吐いた。
藤井はどう思っただろう。
バチが当たったか?
真奈美に電話をかけ直す余裕もなくそのままベッドへ入った。
ベッドにはまだほんのり藤井の温もりが感じられる。
とりあえず明日謝るか……。
ついさっきまで会っていたのにすでに会いたい。
昔から頑なに拒んできた同棲も藤井とならそれも有りかもと思ってしまう。
一緒に住めば会社では会えなくても夜は必ず会えるわけだ。
「有りかもな……」
天井を見つめなんともいえない喪失感を感じながらいつの間にか眠りについたいた。