上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
「一体どうしたっていうんですか?」
恵菜ちゃんはキョトンとして私たちを見渡している。
恵菜ちゃんにも尊さんとのこと見られてるわけだから話さないのも変だよね?
でも全部話すべき?
何から話せばいいのだろう?
「恵菜は口が堅いから大丈夫だ。それに藤井と結城課長のことは去年から知ってたしな」
なっ!といった感じで桐生は恵菜ちゃんに相槌を打ちながら、新たな爆弾を私に落とした。
「え? 去年から知ってたってどういう事?」
雅でさえ気づかなかったのにどうして分かったんだろう……。
私は目の前の2人を交互に見た。
「藤井先輩、結城課長とよくカフェで待ち合わせしてません? 私もたまに行くんですよ! 去年の年末頃たまたま見ちゃったんです。 あ、 誰にも言ってませんから安心してくださいね!」
恵菜ちゃんは首を少しだけ傾げていつものふんわりした笑顔で笑いかけた。
「ねえ、なんで黙ってたの? 私が言うのも変だけどさ、結城課長のプライベートなんて絶好のネタじゃない」
雅の言葉で改めて現実を突き付けられた私は、もし恵菜ちゃんが社内中にバラしたらと思ったら全身に鳥肌が立ち始めた。
怖くて恵菜ちゃんを見ることができない。
誰にも言わないで!と言いたいけれどそんなの虫が良すぎる。