上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


「時間どのくらいかかるんだ?」

「う〜ん、 そんなにかからないと思うけど30分から1時間くらいかな」

涼太は少し考えるように上を向いて数秒したあと「わかった!」と言って私に笑顔を向けた。


「じゃあ、それまで待っててやるからなるべく早めに終わらせろ」

「了解!」

話している間にお寿司が目の前に置かれはじめたので、私たちは美味しくいただくことにした。



「涼太たちはどこに泊まるの?」

「いつものホテルですよ」

涼太の代わりに佐山さんが答えてくれた。
いつものホテルとは品川にあるビジネスホテルのことで車で移動するには便利だと言っていた。


「亜子ちゃんと食ってるのか? 少し痩せただろ?」

「新年度に向けて仕事が忙しかったの。 ちゃんと自炊してるよ!」


雅といい涼太といいそんなにわかるほど痩せたわけでもないと思うのにな。

「前もってこっちに来るの教えてくれたら夕飯くらい作ってあげるよ! たまには寄ってけばいいのに。 あの部屋は涼太のものでもあるわけだし」

「そういえば亜子さんの部屋のことで社長が家賃の契約をする際に亜子さんが怒鳴り込んで来たことがありましたね〜」

佐山さんは目を細め右手を口元において懐かしむように言った。

「亜子は頑固だからな。 まったく兄の優しさを踏みにじりやがって」

やれやれといった顔を見せながら話す涼太は私が引っ越す際に手伝いに来てくれて以来一度も部屋に入ったことがない。

俺が決めた部屋だからと涼太が家賃を全額払う契約をしようとしてるのを知って私が怒ったけど涼太の方が私よりもずっと頑固でなかなか譲ってくれなくて、最終的に半額ずつ払うって事で納得してもらった。

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