上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
居場所
週末といえど新学期が始まったばかりのお休みは都会から地方への交通事情はとてもスムーズで渋滞もなく予定より早く着きそう。
高速のパーキングで早めの昼食を取った私は適度な揺れとお腹いっぱいになった満足感で途中から爆睡であっという間に自宅についてしまった。
佐山さんはトランクに入れてあった私と涼太のキャリーケースを渡してくれるとガレージに車を止めに行き自分の車に乗って帰って行った。
レンガでできているアプローチは玄関まで少し長めになっていて左右ともお母さんの趣味で色とりどりの花が植えてある。
いつも今頃はまだ蕾だったりするけど今年は暖かくなるのが早かったせいか少しずつ咲き始めてる。
花に興味のない涼太はとっとと先を行き玄関ドアの前で私を待っていた。
「たまには亜子が先に入れば?」
「うん!」
私は右手でドアノブを引き笑顔で「ただいま!」と言うとバタバタと奥からお父さんとお母さんが一緒に小走りでやってきた。
「亜子! おかえり」
そう言ってお母さんは思い切り私を抱きしめて離さない。
「お母さん、それじゃあ亜子が中に入れないよ」
「それもそうね、亜子行きましょ!」
2人に連れられリビングに入ると私が来るのを待ってたのかテーブルにコーヒーやお菓子の準備がセットしてあった。
部屋中にコーヒーの香りがしてなんだか懐かしい。