上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
ホテルに着いたあと予約しているお店に向かって歩いていると向かいから来た女性2人が突然涼太に話しかけに来た。
「涼太じゃない! ひさしぶりね」
2人は涼太と小学校からの同級生らしくお母さんも「あら、懐かしいわね!」と一緒に立ち話を始めた。
様子を見てる限り立ち話は少しかかりそう。今のうちにお手洗いに行こうと思いお父さんに一言伝えてホテルのレストルームに向かった。
個室に入るとちょうど後からカツカツとヒールの音が聞こえ誰か入って来たのがわかった。
「涼太カッコよかったね〜」
「昔からモテてたもんね! イケメンで社長なんだからあれは周りがほっとかないわ」
どうやら先ほどの女性2人のようだ。
それにしても涼太ってモテてたんだ。
そういえば中学高校のバレンタインの時、チョコレートたくさん貰ってきてたような。
チョコが苦手な涼太の代わりに私とお母さんがほとんど食べてたっけ。
「涼太って結婚してるのかな〜? そういえば一緒にいた人が奥さんとか? ほら、ネイビーのワンピース着てた人」
え?それって私のこと⁇
「違うわよ。 私もはっきり覚えてないけどたぶん妹さんじゃない?」
「へぇ〜、涼太って妹さんいるんだ」
「でも、 血は繋がってないって話よね。 妹さんが小さい頃に親が亡くなって、親戚から預かるのを拒否されて涼太の家に養子に入ったって聞いたことある」
「なんか可哀想……」
「まあ、可哀想かどうかは周りが決めることじゃないと思うわ。 あ、 そろそろ行かなきゃ!」
2人は化粧直しだったのか、そのあとすぐに出て行った。