上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
「あんた達って一体どうやって会ってるわけ?」
さっきまでにやけていた雅の顔が今度は険しい表情になって聞いてくる。
「雅、眉間に皺寄ってるよ」
ちょっとおどけて言ってみる。
「あーこ! はぐらすなっ!」
険しい顔の次はぷうっとほっぺを膨らませて私を睨む。
キリッとした目にスーッと通った鼻筋は今どきのクールアンドビューティ系。
誰が見ても美人顔なのに雅はそんなのおかまいなしにちょっと大袈裟な顔芸を付けて私に話してくる。
「たまたま会社で話す機会があればそのまま会うことが多いかな……たぶん」
本当にそう。
仕事終わりに何度か結城課長のマンションに行ったことはあるけれど、そのほとんどが偶然会社で会った流れで行っただけだし。
そっけない私の返事を聞くと雅が声のトーンを落として少し申し訳なさそうに聞いてくる。
「結城課長ってさぁ、まだ変わらず?」
雅の言いたいことはわかる。
「んーどうだろう。 変わらずだと思ってるけど」
雅とは逆に目線を下に向けパスタを食べながら淡々と私は答えた。
なんか暗い話題……。
ダメダメ!
「私と結城課長のことでおもしろい話なんてないよ! それより雅の彼氏の話聞いてる方がよっぽど楽しい!」