上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
本当の気持ち
今朝は朝から上着を着なくてもいいくらい暖かくて自然に心がけウキウキしてくる…………はずだったのに、今私がいる場所はそれとは真逆の薄暗く殺伐とした会議室にいて、目の前には机にもたれかかっている結城課長が怖い顔でじっと私を見ている。
「なんで携帯に出ない?」
「それは充電がなくなったからってさっきも言いました」
普段も低音なのに今はそれ以上に低くて機嫌が悪い事はすぐにわかった。
「充電なくなって2日間もそのままって今時ないだろ」
「実家に帰ってたんです。充電器忘れてしまって……これもさっき言いましたけど……」
本当の事を言ってるけど結城課長が怖すぎて言葉の最後が小さくなってく。
普段は携帯がないと気になって不安だったのに、いざ使えない状態になるとそれはそれでどうでもよくなると言うか忘れてしまう物らしい。
昨日東京の自宅へ帰ってから寝る前にアラームのセットをしようと思って携帯が充電切れなのを思い出した始末。
充電器をセットして携帯の電源を入れると土曜日の朝から結城課長の番号で埋め尽くされていて思わずベットの上で正座してしまった。
かけ直すべきか迷ったけど、なんとなく無視してたみたいで余計かけづらくなってしまったし、それに結城課長はたしか今週1週間お休みだと書いてあったからしばらく会わなければ無かったことになるだろうかという卑怯な考えがあったのも事実。