上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※
あれ? 私疑われてるってこと?
なんで?
雅の言葉に私の思考がそこで止まった。
「亜子、念の為本当に実家に帰ったんだよね?」
「あたりまえでしょ! お母さんの誕生日だって前に話したでしょ」
「うん、ごめんごめん。 そうだったよね」
「じゃあ、どうやって帰ったかって事を疑ってるって事ですかね? でも新幹線で帰るって普通ですよね?」
その時、お待たせいたしました〜と言ってちょうど料理が運ばれてきたので私たちの会話は一旦中断して目の前の料理に目を移す。
今回はメインにドリア、他にサラダとキッシュの盛り合わせにデザートと言った女子には人気のセットである。
私はサラダの入っている器に箸を伸ばした時ふと涼太の言葉を思い出した。
「そういえば……」
「ん? 何?」
隣にいる雅は私の方を見ながら同じくサラダを食べている。
「関係ないと思うんだけど……。結城課長には新幹線で向かったって言ったけど本当は涼太が迎えに来たの。しかも会社の目の前に車止めてて。涼太が言うには男の人がずっと私を見てたって言うんだけど……」
「それ関係大ありでしょ!」
「でもその男の人が結城課長って決まったわけじゃないし、それに私車に乗る時周り確認したけど誰もいなかった」
あの時たしかに誰もいなかったのに……。
今更思い出しても見てないものは見てないんだからやっぱり関係ないのかもしれない。
「あのぅ、涼太さん?って誰のことですか?」
1人会話について行けなくて顔を右に傾げながら聞いてきた。