上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


今度は雅に変わって私がニッコリ笑う。

雅には付き合って3年目の彼がいる。普段の雅を見ているだけでとても大事にされてるのがわかる。


「そう? 何も甘い話なんてないけどね。まぁ、強いて言えばありのままでいれることかな」

「ありのまま?」

彼の話をする雅の顔は特に目がキラキラしてるわけでもなく至ってクールだ。


「うん、気を使わないでいいって言うか、自然のままでいられるから気持ちも楽かな。ほら、私こういう性格じゃない?」


自然か……。
そんな風に言える雅が羨ましい。
私もいつかありのままの自分を出せる日が来るのかな……。


「いーなぁ」


雅の話を聞きながらぽろっとこぼれた一言は私の本音から出た言葉なんだと思う。


でも、だからといって今の私が求めているものはきっと違う。



じゃあ、私が求めてるのって何?
自問自答しても答えはいつも出てこない。


パスタセットに付いてきたミニティラミスは表面のパウダーがほろ苦くてちょうどいい。
食べてて自然ににやけてしまう。


今の私はこれが幸せ。
それでいいかも……。
その後もいろんな話をした私たちは時間になってパスタ屋さんを後にした。



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