上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


ランチ時たくさんアドバイスをもらった私はあらためて恋愛下手なんだと思い知る。こんな時どうすればいいか? きっと私1人で考えてたら結局そのままにしてたかな。
相談して良かったかもしれない。



「藤井さん、三井さん知らない? 頼まれてた資料持ってきたんだけど見当たらないの」

情報システム部の佐伯さんが資料らしきものを持って困り顔でやってきた。座っている椅子をクルッと一回転して三井さんのデスクの周辺を見渡してみるけどたしかにいない。

「私でよければ預かりますけど」

「 それだと助かります! 三井さん人使い荒くて注文多いんですよ〜」

そう言って佐伯さんは私に資料を預けて出て行った。
三井さんは私の2才年上でちょっと変わってる男の人。
短髪に刈り上げて太めの黒ぶち眼鏡といったサラリーマンスタイルで顔も悪くない。

ただどこが変わってるかと言うと例えばお昼は必ずコンビニのサンドイッチとコーヒー。しかも一年位はいつも同じミックスサンド。もちろんコーヒーも必ず同じ物。
仕事以外の事は喋らないし、トイレや休憩は毎日同じ時間に取っている。
周りの人は変人扱いしてるけど私はちょっと気になる人物なのだ。


とりあえず待っててもしかたないから自分の仕事しておこう。
私はクライアント先のホームページをリニューアルするべくパソコン画面に向かい始めた。


そういえば涼太のとこのホームページそのままだったな。
CHAINONのホームページは私が作ってあげていているけれど最近忙しくてそのままだったことに気づいた。
こういう事って時間がある時に限って忘れちゃう。私は手帳を出して今週の土日の欄にチェックマークを付けた。


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