上司と私の偽恋愛 ※番外編追加しました※


今の時刻は夜の6時半。
少し残業しちゃったけど良いデザインに仕上がった。
あとは明日また続きをしようとパソコンの電源を切って結城課長に “ 今から向かいます ” とメールを送った。

鞄を持ってまだほとんど残ってる社員の人にお先に失礼しますと言ってオフィスを出た。
エレベーターで1階に降りてエントランスを歩いていると後ろから右腕を掴まれるのと同時に「おい!」結城課長の声がした。


「お前はメールを送るだけ送って他は見ないのか?」

「はい?」

「メール送ったんだけど」

結城課長に言われて掴まれてた右腕を離してもらい、鞄の中に入れておいた携帯を取り出して確認すると私が送信したすぐあとに結城課長からメールが届いていた。

メールを開くと “ 迎えに行く ” と短い文があった。

「行くぞ!」

「え? あ、あのっ」

右手を繋がれて、というか掴まれてといった感じだけどそのまま私は結城課長とエントランスを抜けて少し歩いた所でタクシーを拾って乗り込んだ。
エントランスを抜ける時いろんな人の視線を感じた……気がする。
怖くて周りが見れなかったけど明日会社で変な噂になってないといいな……。


「おい!」

「はいっ。あ、なんですか?」

「聞いてなかったのか?」

あ、この顔は不機嫌な顔だ。でも聞いてなかったのだから仕方ない。

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