チョコレートじゃ想いは届かない
ふと思いついた、告白のこと。
その瞬間、心臓が音を立ててなり始める。
顔まで熱くなってくるのがわかる。
いまさっきまで寒かったはずなのに、今はなんだか暑いくらいだ。
「ねぇ、坂本君。変なことを言ってもいいかな?」
彼は答える。
「うん。」
彼にこの聞き方をして、いやだと言われたことがない。ちゃんと考えているのか、坂本君よ。……君は優しすぎる。
「多分ね、聞かなきゃよかったって後悔するから、ごめんね、先に謝っとく。」
「え、なに?」
珍しく不思議そうな顔をする。
告白したってOKされるとは思わない。何だか彼には他に好きな人がいるような気がするから。いなかったとしても、仕事で忙しいとか、恋愛はいいや、とかいってどうしたって私の告白は受けてもらえない気がする。
これからも関わるし、断られて気まずくなるかもしれないけど、後悔したくないの。
こんなに好きになったの初めてなんだ。
「その……私、坂本君のことが、……好きです。」