突然ですが、兄貴が出来ました!
蒼ちゃんは中学3年の夏、親友だと思っていた奴の家に受験勉強をしに行って、帰りが遅くなり急にそいつの家に泊まる事になった。
この日、赤地家のご両親はおばさん方の実家に夫婦2人で帰省していたので、俺は赤地家に泊まる事にした。
俺と章三は遅くまでゲームで遊んだ後、そろそろ寝ようかと章三の部屋に布団を運んで寝る準備をしていた。その時、玄関から物凄い物音が聞こえて、俺と章三は泥棒かと警戒しながら玄関へと向かって行くと·····、そこには絶望に瞳を曇らせた蒼ちゃんが立っていた。
深夜、恐らく襲われかけたのだろう…。
裸足に着の身着のままの姿で帰宅して来たのだ。
蒼ちゃんのパジャマはボタンがちぎられ、そこから見える素肌に付けられた跡に、何があったのかは一目瞭然だった。
章三は慌てて自分の上着を脱いで蒼ちゃんに被せると
「葵、悪いけど先に部屋に行ってて」
とだけ言い残して、蒼ちゃんを連れて浴室へと向かって行った。
蒼ちゃんは綺麗が故に、心無い人に性の対象として襲われそうになる経験も多数している。
子供の頃、俺と蒼ちゃんは変質者の類に追い掛けられてばかり居て、章三はそんな俺達の為に強くなっていった。
俺と章三は同じ年齢だから、いつも俺は章三に助けられていたが…2つ年上の蒼ちゃんはそうもいかなかった。
幼い頃は、女子にも意地悪をされていたらしい。
そんな蒼ちゃんが4年生に上がった時、結城大輔という学校でリーダー的な奴と仲良くなる。
そいつと仲良くなってからは、蒼ちゃんは結城に守られる形で平穏無事な生活を送っていた。
ただ、章三と俺は結城が大嫌いだった。
結城は蒼ちゃんを独占したがり、俺達にさえも嫌がらせをしてきた。
蒼ちゃんの前で見せる顔と、俺達だけの時に見せる顔が違い過ぎて俺と章三は心配していたのだ…。
そしてその結果、夏休みの受験勉強会で蒼ちゃんは危ない目に遭ってしまったのだ。
信頼していた親友の裏切り行為に、蒼ちゃんは心を閉ざしてしまった。
一緒に受験する筈だった公立高校を止めて、地元の中学からは誰も受験しない桐楠大付を受験して特待生として入学したのだ。
中学卒業するまで、蒼ちゃんは誰とも親しくせずに卒業した。
入学しても、「もう友達は作らない」と言っていたので、俺と章三は正直驚いた。
確かに、入学早々に友達が出来たとは聞いていたし、その人が痴漢や変質者の類に狙われやすい蒼ちゃんを、自分の送迎の車で一緒に学校へ送迎してくれているのも知っていた。
でも、まさかあの事件から半年で友達を連れて来るなんて思わなかった。
しかも、自分の部屋に泊めるだなんて·····。
俺と章三が戸惑っているのをよそに、蒼ちゃんは携帯を取り出して電話をすると
「あ、母さん?ごめんね、仕事中に。今日、友達が泊まりに来たんだけど…。うん、そうそう。」
蒼ちゃんは話ながら、章三を連れてリビングへと行ってしまう。
この日、赤地家のご両親はおばさん方の実家に夫婦2人で帰省していたので、俺は赤地家に泊まる事にした。
俺と章三は遅くまでゲームで遊んだ後、そろそろ寝ようかと章三の部屋に布団を運んで寝る準備をしていた。その時、玄関から物凄い物音が聞こえて、俺と章三は泥棒かと警戒しながら玄関へと向かって行くと·····、そこには絶望に瞳を曇らせた蒼ちゃんが立っていた。
深夜、恐らく襲われかけたのだろう…。
裸足に着の身着のままの姿で帰宅して来たのだ。
蒼ちゃんのパジャマはボタンがちぎられ、そこから見える素肌に付けられた跡に、何があったのかは一目瞭然だった。
章三は慌てて自分の上着を脱いで蒼ちゃんに被せると
「葵、悪いけど先に部屋に行ってて」
とだけ言い残して、蒼ちゃんを連れて浴室へと向かって行った。
蒼ちゃんは綺麗が故に、心無い人に性の対象として襲われそうになる経験も多数している。
子供の頃、俺と蒼ちゃんは変質者の類に追い掛けられてばかり居て、章三はそんな俺達の為に強くなっていった。
俺と章三は同じ年齢だから、いつも俺は章三に助けられていたが…2つ年上の蒼ちゃんはそうもいかなかった。
幼い頃は、女子にも意地悪をされていたらしい。
そんな蒼ちゃんが4年生に上がった時、結城大輔という学校でリーダー的な奴と仲良くなる。
そいつと仲良くなってからは、蒼ちゃんは結城に守られる形で平穏無事な生活を送っていた。
ただ、章三と俺は結城が大嫌いだった。
結城は蒼ちゃんを独占したがり、俺達にさえも嫌がらせをしてきた。
蒼ちゃんの前で見せる顔と、俺達だけの時に見せる顔が違い過ぎて俺と章三は心配していたのだ…。
そしてその結果、夏休みの受験勉強会で蒼ちゃんは危ない目に遭ってしまったのだ。
信頼していた親友の裏切り行為に、蒼ちゃんは心を閉ざしてしまった。
一緒に受験する筈だった公立高校を止めて、地元の中学からは誰も受験しない桐楠大付を受験して特待生として入学したのだ。
中学卒業するまで、蒼ちゃんは誰とも親しくせずに卒業した。
入学しても、「もう友達は作らない」と言っていたので、俺と章三は正直驚いた。
確かに、入学早々に友達が出来たとは聞いていたし、その人が痴漢や変質者の類に狙われやすい蒼ちゃんを、自分の送迎の車で一緒に学校へ送迎してくれているのも知っていた。
でも、まさかあの事件から半年で友達を連れて来るなんて思わなかった。
しかも、自分の部屋に泊めるだなんて·····。
俺と章三が戸惑っているのをよそに、蒼ちゃんは携帯を取り出して電話をすると
「あ、母さん?ごめんね、仕事中に。今日、友達が泊まりに来たんだけど…。うん、そうそう。」
蒼ちゃんは話ながら、章三を連れてリビングへと行ってしまう。