付き合ってないんだよ…ね?環くん。【短】

そんな彼女に「ああ。なんだお前いたの」とか、さも今気づきましたみたいな顔をしている環くん。


一体どんな悟りを開いたら、その状況に気が付かずにいられるんだ。



「あー、コイツね。一年の田中美空(たなかみあ)っての。昔から近所に住んでてな」



おぉ……!それはつまり、幼なじみというやつですか環くん!


あの漫画や小説の王道、幼なじみラブですか!


ということは、やっぱり彼女は環くんの彼じ……。



「長年つきまとってくる、ストーカーってやつだ」



って、ストーカーかいぃっ!!!


てか、環くん。そんな長年の友人を紹介するようなテンションで、かなり衝撃発言しましたけど!?


しかも、紹介し終わった環くんは、何事もなかったかのようにまたスマホをいじりだす。


え?そのまま?田中さんのポジションはそこであってるの?なんか今度は頬ずりしだしてるけどそれでいいの?



「えっとさ……付き合ってるんだよ……ね?」


「は?何言ってんだ山田。んなわけねーだろ。これのどこが付き合ってるように見えるんだよ。お前の目は節穴か」


「……」



……キミの目こそ節穴か。環くん。



いや。いやいやいや。
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