私の専属王子は金髪君
流すように目を通していると
あることに気が付いた。


所々のページが
数枚破り取ったような跡があった。


これは私が自分でやったのか、
それとも別の人がわざと破ったのか
真相は闇の中だけど、
何か私の記憶に関わる
大事な事が書かれていたような気がする。


前後のページを
穴が開くほど見つめて考えたけど、
もちろん思い出せるわけがなく
見るページを進めた。


「これ…。」


そこで目に止まったのは
犬のような、猫のような、
どっちか分からないけど
動物のラクガキ。


私じゃない誰かが書いたものだった。


それともう一つ。
その隣に可愛い犬の絵。
これも私じゃない。


1つ目はお世辞にも
上手いとは言えない絵だったけど、
2つのラクガキが
無性に愛しく感じた。


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