私の専属王子は金髪君
なんて話をしていたのは
私達だけではなかったようで
騒がしかったせいか、
今からフォークダンスが始まるところだった。


フォークダンスは
男女2列になって交代で踊っていく。
だからどんどんペアは変わっていくけど
なにせ1学年250人くらいいるから
玲央をペアになるまで
辿りつけるか分からない。
でも、一回でも一緒に踊れたらなと
淡い期待を抱いて音楽が鳴るのを待った。



すぐにチャンチャンと
リズムのいい音が聞こえてきて
最初のペアの男の子と
踊ろうとした時―――


「…行事でも他の男と
手なんて繋がせるかよ。」


グッと後ろに引き寄せられ
大好きな香りに包まれた。


「玲央!」


上を向けば
下から見上げても
綺麗な玲央の整った顔があった。
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