私の専属王子は金髪君


「こら、そこ何してる。」


担当の先生が騒ぎに気付いて
私達の後ろまで来ていた。


あっ、まずい
と思った時


「センセー!俺ら抜けるから!」


「え!?玲央!?」


堂々とサボり宣言をした玲央は
私の腕を引っ張って
走り出した。


先生が怒っていたようにも見えたけど、
発した言葉は周りの
黄色い声にかき消された。





少し走って着いたのは


「すごい綺麗…。」


泊まる宿のすぐ近くにあった湖。


「ここ、さっきの休憩時間で
見つけたんだ。
絶対凛と来ようと思って。」


月明かりの下で
満面の笑みを見せる玲央は
やっぱりかっこよかった。


「…ありがとう。」


その湖は
夜空に煌めく星を映し出して
幻想的だった。
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