私の専属王子は金髪君
しっかりと真っ直ぐな眼差しで
彼女たちにそう言い放った玲央は、
私の左手を包み込み
指を絡ませると
映画館のある方に歩き出した。


ちらっと後ろを見れば
嫉妬に満ち溢れた目と
目が合ってしまい
咄嗟に反らして前を向いた。


それでも背中には
痛いほどの視線を感じたけど
そんな事はすぐに
気にならなくなった。


私の頭の中で繰り返されるフレーズ。


”さっきから言ってるように”と
玲央は言っていた。


それって
ずっと、私って存在がいる事を
伝えてくれていた
って事でしょ?


加えて私一筋だと
照れる事もせず言ってくれた。


それが嬉しくて、
視線を感じるよりも
ニヤける方が忙しくなってしまったのだ。
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