私の専属王子は金髪君
…やっぱり
高校生の男の子に
クマのぬいぐるみはまずかったか…。
失敗したと思って
「ご、ごめんね!
これはそのなんて言うか…。」
そう玲央が受け取らなくても
良いような理由を言おうとしたけど
上手い事が思いつかなくて
結局しどろもどろになってしまった。
そんな私に構うことなく
そっと箱の中のぬいぐるみを取り出すと
愛しそうに両手でそれを包み込んだ。
「…え?」
予想外の玲央の行動に
今度は私が固まっていると
「ありがと、凛…。」
少し掠れた声でそう言いながら
玲央は私を強く強く抱きしめた。
「…玲央?」
不思議に思いながらも
玲央の背中に手を回せば
その体が微かに震えていることに気が付いた。
顔は見えないけど、
私の肩の上に顔をうずめている玲央から
鼻をすする音が聞こえてきた。