私の専属王子は金髪君
「玲央…?泣いてるの…?」
泣いている、そう確信していたけど
あえて訊ねた。
だけど、それを玲央は認めることなく
小さく首を振った。
それ以上
お互いに口を開くことはなく、
ただただ隙間なく
抱きしめあった。
その時間、数分。
私はこの短い時間の中で
どうして玲央が泣いているのかを
考えたけど分からなかった。
でも、ひとつだけ
分かった事はある。
強そうに見えて
本当は脆い彼の傍に
ずっといたい。
その想いは何があっても
揺らぐことはないと、
窓から見える星に誓い、
そうなれるようにと願いを込めた―――