私の専属王子は金髪君
私が玲央の隣を歩くことに
自信がなくてそっと離れた時、
尋常じゃないくらい焦っていた事。
ふとした時に見せる
切ない笑顔。
そして昨日、
私がクマのぬいぐるみを渡した時
涙を流した事。
これまであったことを
事細かく菜月に話した。
するとうーんと
顎に手を当ててしばらく
考え込んでいた。
そしてゆっくりと
躊躇うように口を開いた。
「これはただの憶測なんだけどさ…。
もしかしたら、夏目君の大事な人と
凛が重なって見えるんじゃないかな…?」
…玲央の、大事な…人?
「それって…」
「家族…、もしくは元カノ…とか。」
なんとなく想像していた存在を
いざ言葉で聞いてしまうと
心にモヤモヤが広がって行った。