私の専属王子は金髪君
そんな私の様子を察した菜月が
何とかこの暗い雰囲気を
明るくしようと、
彼氏の愚痴や愛犬の話をしてくれたけど、
私はそれに相槌を打つことしかできず、
結局変な空気のまま菜月とは別れた。
トボトボまだ赤く染まる空の下を
ゆっくりと歩き、
自然と足が向かったのは
玲央と初めてキスした
あの公園だった。
あそこで少し考えようと
公園の入り口に差し掛かった時だった。
珍しく人の話し声が聞こえてきて
姿を見た瞬間、
足が固まって動けなくなってしまった。
だってそこにいたのは
玲央と、見知らぬ可愛い女の子だったから。