私の専属王子は金髪君
「夏目君!!!」
ドンッとぶつかる直前で足を止めた彼女。
そこに凛の姿はなかった。
だから、凛は?
そう聞こうとしたんだけど
「ねぇ、どういう事!?
凛と中学が同じだったって!!」
野上さんの言葉に俺は固まった。
「なんで…、知って…」
「さっき担任に聞いたの!凛も一緒に!」
凛が…知ってしまった…?
「ねぇ、夏目君はさ、
凛の記憶と関係あるんでしょ?
凛は思い出そうとしてる。
脳に負担がかかったとしても、
それでも夏目君との記憶を
取り戻そうとしてる!!
…昨日、女の子と一緒に居る
夏目君を見かけたんだって。
それで…」
そこまで聞いて
俺は一目散にその場を走り出した。
多分、凛は家だ。
おばさんが思い出すきっかけになるもの
全部しまってあるから…。