私の専属王子は金髪君

「夏目君!!!」


ドンッとぶつかる直前で足を止めた彼女。
そこに凛の姿はなかった。


だから、凛は?
そう聞こうとしたんだけど


「ねぇ、どういう事!?
凛と中学が同じだったって!!」


野上さんの言葉に俺は固まった。



「なんで…、知って…」
「さっき担任に聞いたの!凛も一緒に!」


凛が…知ってしまった…?


「ねぇ、夏目君はさ、
凛の記憶と関係あるんでしょ?
凛は思い出そうとしてる。
脳に負担がかかったとしても、
それでも夏目君との記憶を
取り戻そうとしてる!!

…昨日、女の子と一緒に居る
夏目君を見かけたんだって。
それで…」


そこまで聞いて
俺は一目散にその場を走り出した。


多分、凛は家だ。
おばさんが思い出すきっかけになるもの
全部しまってあるから…。
< 197 / 233 >

この作品をシェア

pagetop