私の専属王子は金髪君
―――――――――――――――――――――――
「今日のお題は犬ね!」
「おっけ、任せて!」
沙希の提案にノリノリの凛と
横ではぁ、とため息を吐く俺。
毎日2人の下手な絵に付き合う俺の身にも
なってもらいたい。
なんてことは
怒ると般若みたいに怖くなる2人には
絶対に言わないんだけど。
「ねぇ、ほら!
玲央も早く書いて!」
そんな俺を余所に
シャーペンを渡してきた凛が
満面の笑みを浮かべていたから
めんどくさいと思いながらも
渡されたそれを受け取って
犬のイラストを描き始めた。
ホントに、
昔っから凛の笑顔には敵わない。
未だに楽しい事があると
目をキラキラさせて笑う凛が
俺はたまらなく好きだった。