私の専属王子は金髪君




「ねぇ、沙希のそれなに?猫?
耳とがってるけど!」


「な…っ!
そういう凛こそ足何本あるの!」


ノートに描かれた沙希の絵と
スペースが無くて
机に描いた凛の絵を交互に見れば
どっちもどっちの
いつも以上にひどい絵が描かれていた。


沙希のは耳のとがった
顔だけの絵で、
凛のは足と胴体が変に繋がっていて
奇妙な生物となっていた。


そして俺の描いた犬は


「あーあ、やっぱ玲央には勝てないか。」


「悔しいけど、可愛いよね。」


自分で言うのもあれだけど
キャラクター性があって
少なくとも2人よりは
断然上手かった。



俺の絵を見て、
ちぇと唇を尖らせながらも
頬を緩ませて俺の描いた絵を
指でなぞる凛がとても愛しかった。
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