私の専属王子は金髪君
俺たちが事故に遭って三日目の昼過ぎ、
睡魔に負けそうになり、
うとうとし始めた時だった
―――ピクッ
一瞬、凛の指が動いた。
「…凛?凛!分かるか!?」
俺の様子に気付いた看護師が
担当の先生を呼びに行って
外にいたおじさんとおばさんも呼んで
全員が揃った時
「…凛?」
凛がうっすらと目を開けた。
ずっと、ずっと待ちわびていた瞬間…
だったのに
「お、とう…さん。お、かあ…さん?」
「そうよ!凛!分かる?」
3日ぶりに聞いた凛の声は細くて弱くて
今にも消えてしまいそうだったけど
涙が出そうなくらい愛しいものだった。
だけど、そんな感動は
次の凛が発した一言によって
どこかへ飛んで行ってしまった。