私の専属王子は金髪君


「玲央、どうした?」


ぼーっと廊下に立ち尽くす俺に
気付いた琉伊が寄ってきた。




「…俺、決めた。」


「…?」


「俺やっぱ凛が好きだ。
凛の傍にいたい。
凛を…今度こそ守りたい。」



一瞬目を開いて驚いた琉伊だけど
その後すぐにニッと笑って


「…そう来なくっちゃ。
その方が玲央らしいよ。」







琉伊に背中を押してもらい、
俺はなるべく凛に
”俺”を思い出させないように
髪を金色に染めて
ピアスも開けて、
今までのイメージとは
反対の”夏目玲央”を作り上げた。





…こうして始まったのが
俺と凛の5歳の時に交わしたあの”約束”だった。
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