私の専属王子は金髪君


早く…、早く玲央の元に行きたい。


玲央に伝えたいことが
たくさんあるんだ…だから…!


その想いを胸に
私は無我夢中で走った。


でも、運動不足の私は
すぐに充電切れしてしまって
駅に行く途中にある交差点で
信号待ちをしている間、
膝に手を当てて休憩をしていた。


その時



「凛!!!」



幻聴だろうか?
玲央の声が聞こえた気がして
視線をあげると―――



「キャ!!」



目に飛び込んできたのは
あの時と同じ。


車が目の前に…






でも、あの時とは違う
冷たいアスファルトの感触と
全身に走る痛みは無くて
代わりに昔からずっと知っている
大好きな香りに包まれた。
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