私の専属王子は金髪君
顔を上げれば、
おばさんはふわっと柔らかく笑っていた。
おじさんも
おばさんの斜め後ろで
微笑んでくれていて
鼻の奥がツンとして
熱くなったけど、
堪えて私も笑顔を向けた。
その後すぐに警察の人が来て
私と玲央は事故当時について
詳しく話をした。
って言っても
私はほとんど気付いてなかったから
玲央が全部説明してたんだけど。
あとから聞いた話では
あの車の運転手はおじいさんで
昼間からお酒を呑んで
酔っ払っていたらしい。
そして、私たち以外に
巻き込まれた人はいなくて
事故を起こしたおじいさんも
至る所にけがを負ったけど
命に別状はないらしかった。