私の専属王子は金髪君
「ありがとう…。」


耳元で囁いた声には
決意が込められていた。


この声、匂い、
玲央の腕の中に収まる感覚。
全部全部初めてじゃない気がする。
玲央の全てに安心する。


玲央はやっぱり不思議な人だ。



1人、温もりに浸っていると
フッと離れた。


私よりも数十センチ高い身長の
玲央を見上げれば
すごく真剣な目をして


「キスしていい?」


…はい?


「ダメ、我慢できない。する。」


待って!
そう言おうとした時には
もう私と玲央の唇は重なっていて
言葉を発する事が出来なかった。


「んん…ッ!」


嘘でしょ!?
私のファーストキス!!


離れようとして
玲央の胸を押してみても
ビクともしない。
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